建設キャリアアップシステムとは
建設キャリアップシステムとは
2019年4月より国土交通省の主導してはじまった制度で、建設業に関わる技能者の資格や社会保険の加入状況をデータ登録し、さらに、日々の現場での就業履歴などといった経験をデータベースに蓄積していくシステムであり、技能者の適正な評価や建設事業者の業務の負担軽減に役立てるためのシステムです。
システム導入の背景
①建設業界の人材不足
日本全体の就業人口の減少により、建設業界は人材不足に陥っております。
国土交通省が集計したグラフ(赤色の折れ線グラフ)によれば、バブル期(1997年)の800万人から直近の500万人弱と、およそ27%も減少していることになります。
②就業者の高齢化
就業者を年齢別にみると、10年後には大量離職が見込まれる60歳以上の高齢者(82.8万人、25.2%)の人数に対し、それを補うべき若手入職者数(36.5万人、11.1%)が不十分な状態となっております。
③賃金の伸び悩み
厚労省のデータ(下のグラフ)によれば、製造業の賃金のピークは50~54歳であることに対し、建設業の賃金ピークは45~49歳となっております。また、賃金が大きくアップする「賃金カーブ」のピーク時期が製造業よりも早くきてしまう傾向があり、40代前半でピークの水準に到達していることから、現場の管理、後進の指導等のスキルが評価されていない可能性があると推測されております。
これらの背景から、若年層の業界への就職を進めるためにも、建設業が他の産業と比べて「魅力的な職業である」ことをデータ等で目に見える形であらわす必要があることからシステム化が求められました。
建設キャリアアップシステム利用の流れ
最後に、システム利用方法の大まかな流れをご紹介いたします。
Step1 情報の登録
事業者登録
・商号、所在地
・建設業許可の有無
・資本金や業種等
・社会保険加入状況等
技能者登録
・本人情報(住所、氏名、生年月日等)
・所属事業者名、職種
・社会保険、建退協加入状況等
Step2 カードの取得
書留でカードが送付されてきます。
Step3 現場の登録
元請事業者として現場を開設する場合は、現場・契約情報(現場名や工事内容)を登録します。
Step4 施工体制の登録
事業者の方は、現場・契約情報に対して、それぞれの施工体制を登録し、自社に所属する技能者の情報(氏名、職種、立場(職長等))を登録します。
Step5 就業履歴の蓄積
元請事業者の方は、現場にカードリーダーを設置します。
おすすめのサービス
当事務所では、建設キャリアアップシステムの登録代行サービスも行っております。
わずらわしい入力作業は全て丸投げし、本業に集中したい方は是非ご利用ください。
この記事を書いた人
建設業許可サポートオフィス千葉
行政書士 鳥羽政臣
公式サイトhttps://kensetsu-kyoka-support.com/
千葉県野田市出身。早稲田大学政治経済学部を卒業後、10年間、上場企業の財務部に勤務。その後、海外起業した後、地元に行政書士事務所を開業。
開業当初から地域密着で建設業許可を専門に取り扱い、特に千葉県の東葛地域(柏、松戸、野田、流山、我孫子、鎌ヶ谷)や市川、船橋での許可取得の実績多数。
自らが起業した経験から、忙しい経営者に寄り添うため、無駄の無いサービスの提供をモットーとしている。