【建設キャリアアップシステム】:カードをつくるとどんなメリットがあるの?その(3)
カードにはどんな履歴が貯まるのか?
具体的には下の表の項目のデータが毎日貯まっていきます。
多くの項目がありますが、シンプルに言えば「どんな現場で」「いつ」「どんな立場で」仕事をしていたかというデータです。また、保有資格や社会保険加入状況は、カード取得の際にあらかじめ登録する情報です。
項目 | 施工体制に登録されていることが前提の項目 | 技能者評価に関する項目 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
基本情報 | 就業年月 | 〇 | ||
現場名 | 〇 | |||
就業日項目 | 入場日時 | 〇 | 日またぎ夜勤の登録も可能 |
|
退場日時 | 現場の利用アプリによっては入力なし | |||
確認事項 | 承認日 | 〇 | 就業履歴として承認された日付 | |
元請事業者名 | 〇※ | 入場した現場の事業者名 | ||
1次以降の事業者名 | 〇 | 施工体制における1次以降の事業者 | ||
所属事業者名 | 〇※ | |||
次数 | 〇 | 所属事業者の次数 | ||
就業内容の確認 | 就業した際の立場 | 〇 | 〇 | 職長など、その現場で就業した際の立場 |
作業内容 | 〇 | 〇 | ||
職種 | 〇 | |||
作業に関する項目 | 有害物質取扱いの有無 | |||
保有資格 | 登録基幹技能者 | 〇 | 事業者の評価がなされる場合の必要情報 | |
技能士 | 〇 | |||
免許資格 | 〇 | |||
技能講習 | 〇 | |||
特別教育 | 〇 | |||
その他安全衛生資格 | 〇 | |||
社会保険加入状況 | 健康保険 | |||
年金保険 | ||||
雇用保険 |
そして、この中で特に重要なのが、「技能者評価に関する項目」です。
現在、建設キャリアアップシステムに関連した技能者の能力評価の仕組みづくりが検討されており、そこで使われる項目になります。
また、日々たまっていく履歴は、スマホやパソコンから簡単に確認できますので、現場が始まったらば定期的に就業履歴を確認するようにしましょう。
就業履歴の活かし方
建設キャリアアップカードで貯まった就業履歴は、いわばあなたの履歴書であり、実力そのものです。履歴は、原則は本人自身と所属する会社だけが見られる設定になっており、他人が勝手にみることはできません。
ただし、履歴を証明する際など、本人が見せたいと思えば紙に印刷するなどして他人に履歴を見せることもできます。
また、もしも技能者が転職しようと思った場合、履歴書や職務経歴書を提出することになりますが、建設キャリアアップシステムは「履歴書」ですから、データを呼び出せば簡単に転職に必要な書類作成をすることができます。経験が見えるので実力に応じた待遇をしっかり受けることができる可能性が高くなります。
この記事を書いた人
建設業許可サポートオフィス千葉
行政書士 鳥羽政臣
公式サイトhttps://kensetsu-kyoka-support.com/
千葉県野田市出身。早稲田大学政治経済学部を卒業後、10年間、上場企業の財務部に勤務。その後、海外起業した後、地元に行政書士事務所を開業。
開業当初から地域密着で建設業許可を専門に取り扱い、特に千葉県の東葛地域(柏、松戸、野田、流山、我孫子、鎌ヶ谷)や市川、船橋での許可取得の実績多数。
自らが起業した経験から、忙しい経営者に寄り添うため、無駄の無いサービスの提供をモットーとしている。