建設業許可:土木一式工事で許可を取りたい!
土木一式工事に該当するもの
代表的な例として橋梁、ダム、トンネル、空港、港湾、高速道路、鉄道軌道、道路・団地等造成、公道下の下水道、農業・灌漑水道工事を一式として請負うものがあげられます。複数の専門工事を組み合わせて、土木工作物を作る工事や、工事の規模が大きく複数であるため、単独専門工事では施工ができない土木工作物を作るような大規模な工事というイメージです。
また、「『土木一式工事』の許可で他の専門工事も請負うことができるの?」と、よく相談を受けますが、『とび・土工・コンクリート工事』など他の専門工事を請け負うことはできません。
『土木一式工事』は、一言で言えば「土木工事の総合マネジメント」で、多くの下請けの専門工事の業者さんに仕事を発注・管理して施主と元請け業者として請負契約を結ぶような業者が取得する許可です。また、元請に限定されているのは、総合的な工事を全て下請に負わせることは、建設業法で「一括下請負(いわゆる丸投げ)の禁止」がされているからで、す。施主からしてみれば、わざわざ技術力や経営力を買って指名した業者さんが、その大規模な工事を全て丸投げして、実は別の業者が全て総合マネジメントいました、となるとショックですよね。
他の業種との違い
とび・土木・コンクリート工事との違い
専門工事の『とび・土木・コンクリート工事』とは名前が似ていますが内容が違います。
単独の盛土工事、掘削工事、ガードレール・標識等の道路付属物の設置工事、団地造成工事でも個人住宅に関わるものは『とび・土木・コンクリート工事』の許可が必要になります。
『管工事』や『水道施設工事』との違い
水道関連の工事には『土木一式工事』『管工事』『水道施設工事』の3業種が関わるのですが、区分けが少しややこしいです。
おおまかな区分は、
・『土木一式工事』・・・公道下等の下水道の配管工事や下水処理場そのものの敷地造成工事
・『管工事』・・・家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事
・『水道施設工事』・・・上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を建造・設置する工事
なので、下水道ではなく上水道の工事には『水道施設工事』の許可も必要になりますので、ご注意ください。
逆に、農業用水道、かんがい用配水施設の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当します。
一緒に取得したい業種
・とび・土木・コンクリート工事
・舗装工事
・しゅんせつ工事
・水道施設工事
一般建設業で『土木一式工事』で専任技術者になるには
資格で申請
以下の資格のいずれかを保有している場合には、『土木一式工事』の専任技術者(※特定建設業の場合は別)になることができます。
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(土木・薬液注入)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(躯体)
・技術士 建設・総合技術監理(建設)
・技術士 建設「鋼構造物及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」
・技術士 農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」
・技術士 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」
・技術士 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」
・技能士 型枠施工(2級は+実務経験1or3年)
・技能士 とび(2級は+実務経験3年)
・技能士 コンクリート圧送施工(2級は+実務経験1or3年)
・技能士 ウェルポイント施工(2級は+実務経験1or3年)
・技能士 とび・とび工(2級は+実務経験1年)
・地すべり防止工事(+実務経験1年)
・基礎ぐい工事
・登録橋梁基幹技能者
・登録コンクリート圧送基幹技能者
・登録トンネル基幹技能者
・登録機械土工基幹技能者
・登録PC基幹技能者
・登録鳶・土工基幹技能者
・登録切断穿孔基幹技能者
・登録エクステリア基幹技能者
・登録グラウト基幹技能者
・登録運動施設基幹技能者
・登録基礎工基幹技能者
・登録標識・路面標示基幹技能者
※技能士 型枠施工は『大工工事』の専任技術者にもなることができます。
学歴+実務経験で申請
資格を持っていない場合でも、以下に関する学科を卒業後、高卒であれば5年以上、大卒・高専卒であれば3年以上の土木工事に関する実務経験があれば、一般建設業における土木一式工事の専任技術者になることができます。
・土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地、造園に関する学科を含む)
・都市工学
・衛生工学
・交通工学
実務経験のみで申請
資格や学歴がない場合であっても、土木工事に関する10年以上の実務経験があれば、一般建設業における土木一式工事の専任技術者になることができます。